旅と人生と音楽、そして洋服

那須と益子、藍染を見る。

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益子藍染

二十歳から三十代になるまでは仕入れでアメリカやイギリスに行ったりきたり。独立してこの店を出してからは、なかなか動けずにいた。外に出る事は何かを吸収できる事。内にこもると今まで刺激を受けてきた事を出す作業になる。そんな中で僕が沢山の事を吸収したスポンジはカラカラだった。そしてカラカラのスポンジからひねり出したアイディアでは古過ぎるし、誰も受け入れてくれないのだ。

3月の2日と3日の二日間を使って栃木県那須町と益子町へ。久しぶりにインプットの時間である。那須町での目的は宿泊施設の視察だった。何故なら、現状の店舗を将来的に引越し山の中で小規模の宿泊施設を備えた、衣食・旅と音楽をコンセプトとした店を再構築したいからである。

今回宿をとったのは那須町にあるartbiotopさん。「Stay Simple,Live Organic」をスローガンにされている宿で、陶芸スタジオやガラススタジオがある事が魅力だった。吹きガラスを体験したかったのだが、この日はちょうどメンテナンスという事でできなかった。相変わらずの無計画で調査不足な自分である。

アートビオトープ

決して営業トークではない気持ちの良いスタッフさんが迎えてくれた。国内でのオーガニックや弊店の一つとして行っているヨーガやマインドフルネスの受け取られ方は恐らく他の国と比べて違う受け取られ方をしている。オーガニック食品の流通量がそれを物語っていると見てとれる。僕自身は食に気を使ったりという事はあまり無いのだが、今月から弊店が正式にスタートする手作りスモークチーズの販売代理店を動かしていくにはオーガニックという言葉や、その動向には注視しなければならない。

アートビオトープ朝食

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この日は北海道を除く大半の地域で晴天の予報だったようなのだが、朝起きたら吹雪だった。ノーマルタイヤのポンコツで来てしまった事を後悔するのだが、家にはこのポンコツしか無かった事に気づく。朝食は美味しかったのだが、雪が気になって気になってしかたなかった。3月の初め頃に行かれる方はどうぞスタッドレスで、そうしないと天候が気になって楽しみが半減してしまう。

アートビオトープ

中庭にはホワイトリムジンと呼ばれる屋台があり、時折イベントが開催されているようだ。僕らの資金力では何処まで可能かわからないが、山の中に引っ越した時にはこのようなモノがあるといいなと思った。店というモノの役割は、商品を販売するだけではなく、その場所で創られる文化のようなモノと人と人の繋がりである。それを実現させる為に、小規模でよいので必要な事やモノを是非用意したいと思っている。

アートビオトープ

カフェの入り口にあるスペースには本が置かれていて自由に読めるようになっている。インターネットで検索すれば調べごとの大半は解決する時代だ。それでも僕は本には何か特別な力があるような気がする。弊店のカフェスペースにも本を置いてあるのだが、やはり手に取る方は多い。そんなアートビオトープさんで一晩を過ごし、感じた事や思った事を写真に残した。

 

藍染

翌日、雪を心配しながら車に乗り向かったのは益子町にある日下藍染工房さん。古くから伝わる日本の技術を自分たちの製品に活かす事ができないかというのがここを訪れた目的である。このページの一番上にある写真、茅葺屋根の古い建物が作業場兼母屋となっている。入り口から母屋に着くまでに少し距離があるこのスペースが僕は何とも言えない程好きなのだ。何故かはわからない。アメリカやイギリスのかっこいいものをずっと探して勉強してきた僕には、この日本の伝統的な建物が今更ながら新鮮だった。古民家でのカフェやお店が注目されている事は知っていたが、何故か僕には響かなかったのだが、それ自体が現代の流れに付いていけていないのだという事に気づいた瞬間だ。

日下田藍染工房

日下田藍染工房

母屋の大半は藍染の工房として使われている。完全に手仕事として行われる藍染や草木染め、織りの技術は本当に素晴らしかった。言葉では伝わりにくいので写真を掲載する事にする。

日下田藍染工房

日下田藍染工房

日下田藍染工房

商品を自分たちの手で作るという事がどれだけ大切なのかを痛感した。それが二次加工であっても大切な事なのだと思う。この数ヶ月農業から食品に至るまで様々な事を自分が動き実際に販売までしてみる事をやってきた。農業では第一次産業(作る)~第三次産業(販売する)までの事を行う第六次産業にまで発展を遂げている農家さんしか生き残っていない。食品に関しても、産地や生産手法までを明らかにしないと消費者には受け入れられない。衣料品はどうかと言えば、殆どの小売店が転売方式である。メーカーやブランドから仕入れ、それを店やインターネットで販売する方式だ。この業界、特に小売店がやっているオリジナルというのは大半がOEMであって決められた型に自社で選んだ生地を載せるだけの方式である。

農業でいう所の第六次産業的な考え方を組み入れる事が僕が確率させなければならない事だ。そこに買い物のスタイルさえも変えてしまう程の力を持たなければならない。そして、道の駅という存在を無視してはならない。農産物や魚介類、土産物の流通量、そして販売力は非常に強力である。もちろん、そこを管理する管理会社によって業績は異なる。

冒頭に書いた山の中の店というのは理想であるし、やりたい事の一つであるが、例えば冬場雪でも降ってしまえば商売にはならない。そこで弊店analogはここ数ヶ月で作った人脈や経験を使い、道の駅などの施設にサテライト型の店舗を置きながら、山の中の店舗を支える仕組み作りの準備を始めた。世の中はアマゾンやオンラインでの販売こそが未来のように語られているけれども、それを自分達も体験し一時期は信じられない程の売上げをつくった。けれども、そのスタンスや方法が全てとは言えないだろう。

アパレルには、見せ方や売り方、商品の新しさという事が欠けている。一度売れた店舗のテンプレート(やり方)は欲しがるけれども自分で考えようとはしないほど保守的な人達が流行、流行と最先端の事を語る。これは正にパラドックスとしか言い様がないと僕は感じている。

そんな事からいち早く離脱し、自分達が将来一つのブランドとして認知してもらう為には、仕入れの商品を辞めるべきだという決断があった。名の知れたブランドであっても、メーカーであっても、それがある事で自分達の動きがとれないのであればいくら売れるブランドだって辞めたほうがいい。そう考えて3年前から一つ一つブランドやメーカーの品揃えを終了し、現在は殆どがオリジナル商品になる。また、そのオリジナル商品がどれだけ売れないかも僕は知っている。だからこそ、沢山の業種の中に自ら入り込み沢山の事を考えながらここで新しいやり方を考えているのだ。

先に少し触れた道駅やサービスエリアの集客力は凄まじい。今回の旅では目的外だったのであまり多くの施設には寄らなかったし、写真も少ないが少しだけ掲載しておく。ゴミ箱一つとっても、その気遣いや作りこみはもはや量販店のそれとは比較にならないように感じる。東北自動車道の羽生SAはまさに江戸時代にタイムスリップしたような感じだ。(写真がないのでリンク先で>>)残念に思う事は建物は凝っていてもサービスが量販店のそれと変わらないマニュアル的な対応である事だった。

益子道の駅のゴミ箱

益子道の駅ゴミ箱

那須道の駅(正式名称を忘れました)

次回は5月の連休後に。ココから北に向けて5日間でどこまでいけるかにチャレンジ。北海道二風谷アイヌの街まで行ければと思っている。

そして、新しいラインを立ち上げる事になりました。ジーンズのようにデイリーウエアとして使えるトラウザー。ジーンズの専門メーカーや小売店はあってもトラウザー専門店というのは中々無いものです。そこを目指して最初は小さく立ち上げを行います。今回の旅で学んだ事や気づいた事が一番のきっかけになっています。下手な編集の動画でどうぞ。

 

Denim Alternatives

 

 

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