人と比べない|マインドフルネス
山の中の道なき道をバイクに乗り一人で進んでいくと、時折こんな不安を抱く事があります。「本当にこの道で山の向こう側に抜けることができるんだろうか」正確な地図もなく、あるのは不安だけ。
人生においても、そんな場面は必ず訪れます。友人の仕事内容やお給料を聞けば、「オレ、何やってんだろう」そんなふうに思う事もしばしばあるのではないでしょうか。
ゲーテはその昔こんなふうに言いました。「自分自身を信じてみるだけでいい。きっと、生きる道が見えてくる。」
人には人の、自分には自分の良さがあり、それをどう捉えるのかで行く道も見えてくるのだと思います。私は、経営という事を経験しその事を沢山考えてきました。
松下幸之助氏はこんな言葉を残しています。「迷う、ということは、一種の欲望からきているように思う。ああもなりたい、こうもなりたい、こういうふうに出世したい、という欲望から迷いがでてくる。それを捨て去れば問題はなくなる。」
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自分の良いところを知るというのは簡単に見えて難しい事です。何故なら、自分自身に対してのイメージを作り上げてしまっているからではないでしょうか。自分の良いところを知るには、一度自分の中に飛び込んでみるような事が必要になるでしょう。先日書いたように、ジョンレノンやボブマーリーをはじめ、何かを残してきた人たちの言葉には自分の中に飛び込んで確かめたような言葉が沢山残されています。マインドフルネスは、沢山の記事が書いているような側面と同時に自分の中に飛び込んでいくような作用が私はあると考えています。
タデウス・ゴラスという米国の作家はこんな言葉を残しています。「自分の内なるものも外なるものも、見ているものを変える必要はない。ただ見方を変えればいいのだ。」
そんなふうに、何かの一点を突き詰めてきた人達や、一度崖っぷちにたった経験のある人達からは瞑想をする事によって導きだされるような言葉がいくつも残っています。
ヨーガの経典にも記されている「人と比較しなくていい」。そんな事が今日の最後に引用する松下幸之助氏の文章に表現されています。私がマインドフルネスを通して、伝えていきたい言葉の一つでもあります。
自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。どんな道かは知らないが、他の人には歩めない。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがえのないこの道。広いときもある。狭いときもある。のぼりもあれば、くだりもある。坦々としたときもあれば、かきわけかきわけ汗するときもある。この道が果たしてよいのか悪いのか、思案にあまるときもあろう。なぐさめを求めたくなるときもあろう。しかし、所詮はこの道しかないのではないか。あきらめろと言うのではない。いま立っているこの道、いま歩んでいるこの道、とにかくこの道を休まず歩むことである。自分だけしか歩めない大事な道ではないか。自分だけに与えられているかけがえのないこの道ではないか。他人の道に心を奪われ、思案にくれて立ちすくんでいても、道は少しもひらけない。道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。それがたとえ遠い道のように思えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。深い喜びも生まれてくる。