パーマカルチャー / マインドフルネス
「人間にとっての恒久的持続可能な環境をつくりだす為のデザイン体系」の事をパーマカルチャーと呼びます。私のデザインする、あるいは製造する洋服はこの概念を主体に考えています。パーマカルチャーの考えは元々農業を主体に考えられてきました。その概念はオーストラリアから始まり世界に広がりをみせています。
自然のルールというものがあり、植物であれば環境に合わせた連鎖を繰り返していく。そんな自然のルールを読み解いて人間の生活にも活かしていこうという考え。私はそのように理解し、恒久的な連鎖の仕組みを常に考えています。
読んで頂いている皆様も一度は感じた事があるのではないでしょうか。「本当にこれでいいのか」という迷いのようなもの。そして経済面とやりたい事のバランスを常に考えているのではないかと思います。資本主義誕生以来、そのバランスはいつも個人の中で考えられてきました。そして、世の中は便利になり、その便利になった事で自然に基ずく考え方を忘れてしまう事により人々は疲弊してきたように思います。
テクノロジーの進化の影で、人間性をどのように考えるのかはこれから先の時代大きな課題になるのではないかと思っています。昔の生活に戻ろうとする体系ではなく、新しい技術をどう生活に取りいれていくかという考えの一つとしてパーマカルチャーという概念は存在しています。
毎日、私達は何かの不安や恐怖心を抱えて暮らしています。考え方や概念はひとつのレンズに過ぎません。そのレンズを通すと、同じ事が違う事象のように見えたりします。私は一つの概念の付き詰まる所を究極の考えとする必要はないと思っています。ただ、そのレンズがあって、それを通すとこう見えるという事に気づき、その視点に立ってみる事が、受容する事に繋がる気がしています。
何かを生み出す過程で、それぞれの企業や会社が自然の生業やその法則を取りいれずとも理解があるかどうかという事は、10年後、20年後の世界に影響を及ぼすのではないかと私は考えています。どんどん便利になっていく暮らし、食べ物はパソコンやテレビを見ながら食べられるようスナッカブルになっていきます。私もスナック菓子はよく食べるのですが、時にリンゴやいちごがどうやって育ち、誰がどんなふうに手を加えて自分の手元に届き、どんな色をしていて、どんな味がするのかを味わいながら食べるようにしています。
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それぞれの企業はお金という利益を考えれば考える程、「手軽に」という需要に目を向ける事は当然の事です。しかし、これからの社会において本当の利益というのは「こころの豊かさ」を示すのではないかという事実も軽視できないと私は考えています。その「豊かさ」を企業が製品にのせていくには、企業や会社が、製品を製造する前に何かの小さな活動をしていく事が大切なのかもしれません。そこに気づく為にパーマカルチャーという概念が存在し、更にはその会社を動かしていく人々がマインドフルな状態である事が理想のように私は思っています。
このマインドフルネスの呼吸法や考えをベースに、時代に沿った商品創りや会社つくりを進めていきたいと思っています。